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2014
07.14

EVのウィークポイント

Category: EV   Tags:EV電気自動車燃費
走行性能においては素晴らしいことづくめなEVですが、EVであるが故のかなり重大な弱点が存在します。
それは一度の満充電で走れる距離、航続距離の問題です。これは多くの人がEV所有に二の足を踏んでしまうほど大きなウィークポイントと言えるでしょう。

EVは発電所で作られた電気をバッテリーに溜めこみ、モーターを回して走ります。ハイブリッド車のようにガソリンを燃やして発電できませんから、回生ブレーキでエネルギーを回収する以外は、バッテリーに蓄えた電気量が全てです。
つまり航続距離がバッテリー容量によって制限されるので、遠くまで走れる車を作りたければ、バッテリーを多く積む必要があります。

ところが、バッテリーは今のところ高価ですし、かなり重量もあります。しかも体積や重量あたりで蓄えられるエネルギー量を考えると、ガソリンなどに比べてかなり劣るため、バッテリーはガソリンタンクよりかなり大きくならざるを得ません。

そのため、旅の途中でガス欠ならぬバッテリー切れに陥らないような、長距離走れるEVに乗りたければ、それなりの初期投資をして多くのバッテリーを積んだタイプを選ばなくてはなりません。しかもバッテリー増加で重くなった車体で走るため、電費も落ちるのです。

ただこの点については、ガソリンや軽油を燃やして走るエンジン車でも似たようなものです。車重が増えて燃費が悪化した車の航続距離を伸ばすために、ガソリンタンク容量を増やすのと同じですから。
しかも、バッテリーの技術やモーターのエネルギー効率は、今後の技術革新で飛躍的に向上するでしょうし、価格の面でも安価で大量供給可能な素材を用いれば、もっとコストダウンが図れることでしょう。今まで以上に大量生産されることで、さらに安価になります。

ですから実のところ、「航続距離が短いこと」を最大の問題点とするのは、必ずしも正しくありません。むしろ真のウィークポイントは「充電時間が長いこと」なのです。

バッテリー切れの心配がない、短距離の使用だけならば、充電に何時間かかろうと全く問題ありません。昼に半日使って、使わない夜間にでもずっとチャージすればよいのです。手間はスマホの充電が大きくなった程度でしょう。

しかし、遠出するとなったら大問題です。
過放電はバッテリーの性能を損なうため、EVの電欠は一般のガス欠より深刻です。単にそれ以上走れないだけでなく、車が壊れるのですから。

充電できる場所が限られることも考え合わせると、バッテリーが空になりそうなギリギリまで粘ることはせず、機会を見つけては小まめに充電するのが普通の人間心理でしょう。

たとえば東京から500km強の大阪まで行くとしましょう。
カタログでは航続可能距離が200kmの車であっても150kmくらいで充電タイム(注:EVは運転技術によって電費が大きく異なり、道路の高低差や季節でも大きく違います。ただ、ここではカタログ通り走るものと仮定します)。充電2回では心もとないので少なくとも3回でしょうか。

フル充電で200km走れるとしても、そこまでが、200Vでも8時間くらいかかったりします。一般家庭用の100Vでは10時間15時間はザラ。バッテリーが空になってから充電するのではないにせよ、数時間はかかります。電圧を上げれば充電速度は上がるとしても、高圧になるほど危険性は増すため限度があるのです。

200km走って半日休憩する旅なら何時間待ってもOKかもしれませんが、予定をたてるのが難しいでしょうし、そもそも思ったように充電できるとも限りません。大阪まで行くのが、泊まりがけの大旅行になってしまい、非現実的です。

時間に余程の余裕がある人でないとこんなことはしませんから、普通は急速充電器を使います。家で行なう普通の充電と比べてバッテリーの劣化が起きやすいと言われますが、たまの遠出くらいであれば問題はありません。普段から急速充電ばかり行なうのはリスクが高い、という程度です。

EVではフル充電や満充電という呼び方をしますが、急速充電では85%くらいしか急速充電させません。これはバッテリーへの負荷を低減するためです。フル充電まで入れようとすると、バッテリーの保護のため充電の電流を下げていくので、充電速度が遅くなり、時間の効率も悪くなります。
また、何分でフル充電できるか、という言い方をされますが、当然のことながら車に積んでいるバッテリーの大きさと、充電前にどれくらい電気が残っていたかによって変わります。大雑把にみて10分充電すれば50~60km走るでしょうか。

この計算でいきますと、150km~200km分なら手続きや操作の時間も含めて30分といったところでしょう。実際、サービスエリアの充電スポットでは最大利用時間を30分と区切っています。逆に言えば、たくさんバッテリーを積んでフル充電の航続可能距離を伸ばしても、一度の急速充電では150~200km分しかチャージされません。

つまり1台あたり30分と考えておくべきだということです。急速充電器を設置しているサービスエリアが増えているといっても、1基2基のレベル。前に1台いたら最大30分、2台いたら最低30分待ってから充電開始。自分の充電に30分。しかも次の人のために、30分したらすぐに車を動かしてやらなくてはなりません。

この待ち時間をどうしましょう。
30分あれば食事にでも行きたくなります。30分より前に充電が終わったとしても、充電器を占有できる時間が30分あると思うと、そのギリギリまで使ってよいと考えるものです。そうして、ほんの少しならよいだろうとうっかり時間が過ぎてしまうと、並んでいる人から白い目で見られます。待っている人は時間を長く感じるものですから。

順番待ちで車内にいるとしても、冷暖房、特にヒーターは電気を食います。充電待ちでバッテリー切れになっては笑い話にもなりません。とは言え、お盆や年末年始にエアコンなしで車内に居続けるのは、身体に大きな負担がかかるでしょう。1台2台の待ちならばまだしも、これが3台4台となるだけで数時間確定。考えただけでもイヤになります。

現在のところ、このような事態はそれほど起きず、長距離ドライブもできなくはありません。しかしそれは、走っているEVの台数が少なくて競合が起きにくいだけ。ゴールデンウィークやお盆などの長期休暇期間であれば、必ずや充電難が発生します。将来的にEVの台数が増えていけば、益々悪化することでしょう。

急速充電のネットワークが拡充すれば問題が解決すると思う向きもありますが、そう簡単には事が運びません。このような設備はピーク時に対応した規模で作らなくてはなりません。

EVは充電に時間がかかるので、時間あたりの利幅が極小です。たとえばガソリンスタンドならば給油が5分くらいで済みますから、5分で何千円か売上げます。次々客をこなしていけば利益が結構出るでしょう。しかしEVは1時間でたった2台。国からの補助があったり、ガソリンのようにローリーで運んだりといった手間はありませんが、商売としてはなかなかに難しいものがあります。ずらっと並べて数をこなせれば話は別ですが、繁忙期にあわせて設備投資しても普段の稼働率が低く、なかなか回収できないのではないでしょうか。

EVがこれまで以上に普及すれば、コンスタントに稼働率が上がって、急速充電器の設置数も増加するかもしれません。しかしEVの航続可能距離が短い以上はその数も膨大に必要となり、日本全国つつがなく充電器網を敷くのは難しいでしょう。

またEVが増えたら増えたで、多くの人が長距離移動するゴールデンウィークなどには、電力が余剰気味の深夜ではなく、昼間に需要が集中してしまうことになります。ただでさえ切迫気味とされる電力需給に、自動車の動力としての需要が新たに一時期に集中して追加されるのは、少なからずリスクがあります。実際に電力不足に陥るかどうかという問題もありますが、EVによる電力需要の増加を言い訳に、安全性を軽視した発電が推進されないかという心配があります。

このように、充電時間が長いという欠点が直らない以上、EVでの長距離移動はお勧めできません。上り坂や寒冷時期では極端に航続可能距離が縮まってしまう点も考え合わせると尚更です。高速道路上で電欠してしまったら、近くのサービスエリアまで牽引してもらって充電しなくてはなりません。ガソリンを持ってきて給油するのとは訳が違います。

EVのウィークポイントは長距離移動につきまとうリスク、これに尽きます。
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